昨今の猫ブーム、建築界にも押し寄せて猫のための家づくり指南本が大人気。 もちろん私も早々に買い求め、建築の工夫を学ぶよりもそこに写ったネコさんの写真をでれーと眺めてにやける始末・・・
そんな折に願い?が通じましたのか、猫のいる住まいのお話しが! そのお住まいが今夏完成しました。 2階リビングとして、屋根の勾配を室内天井に表した住まいです。その屋根を支える木材も現しとしていますが、水平に架け渡された構造木材(梁)、強度上は一本で足りるのですがそこをわざわざ二本抱き合わせにしています。 なぜだかお分かりになりますか?
屋根の棟木を支える束(短い柱のような木材)が中央に立っています。 高いところが好きなネコさんには梁の上を歩いてほしい!ですが折角歩いてくれても束で行き止まりとなってしまってはネコさんに申し訳ない・・・ ということで、ちゃんと歩けるように束を挟んで梁を二本とした次第、このお宅には二匹のネコさんがいますが、お互いに「道を譲れ!」との諍いもなく行き違いもできます。
ネコさんのことを考えての設計ですが、ニンゲンさまにはそうは申さず、「梁を二本にしてその間に照明を仕込みます」ともっともらしい設計理由、二本の梁の隙間に間接照明のアッパーライトと直接光源のライティングダクトを仕込んでいます。 でもバレバレでしたかね?
他にもネコさんのことを考えてあの手この手の工夫を散りばめたこの住まい、その成果を想像しながらの設計とはこんなにも楽しいものでしたか!建築主さんのお宅に打合せに伺うのも、足元にすり寄ってきてくれたり図面の上を歩いてくれたり・・・が楽しみで、毎日でも打合せに伺いたい気分でした。 さて 果たしてネコさん達は私の仕掛けにちゃんと気付いて悦んでくれているでしょうか?(ねこだからなぁ・・・ いや所詮はニンゲンの浅知恵だからなぁ・・・)