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緩やかな間仕切り

  • 木村哲矢建築計画事務所
  • 2018年6月16日
  • 読了時間: 2分

茶の間、客間 など 部屋は「間」という言葉で言い表され、部屋の配置を「間取り」と言います。 そして「間」と「間」の区切りを「間仕切り」と言い、間仕切り壁 という通り、通常は壁で間仕切るものとイメージしています。 けれどももともと日本の住まいの間仕切りは壁ではなく、柱と柱の「間」に障子や襖などの建具を入れて仕切り、その開閉で柔軟な部屋と部屋とのつながりを生み出していました。 また現代でもちょっと周りを見渡してみれば、カーテンや衝立で間仕切る例や家具で間仕切る例など、場と場を視覚的に仕切り 空間的にはあいまいなつながりを保つ例も多く見られます。 これらはもちろん音は筒抜けで、苦肉の策での間に合わせの仕切りであり、プライバシーに難があるとも考えられてきました。が、個室化の弊害が意識される現代の暮らし方の中では人の気配を感じる緩やかなつながり方として、住まいの作り方の中で多様な間仕切りのつくり方が模索されています。 写真の住まいでは、居間~食堂~寝室 の間には壁や扉の仕切りはありません。角で狭くなった部分が互いの部屋の境目として意識されているだけの間仕切りです。そして、部屋の中での人の立ち位置によって、隣の部屋の様子が見えたり隠れたり・・・。 言わば立ち位置によってのみ変幻自在に間仕切られているという住まいの例です。 この例はお二人だけの住まい という条件ではありますが、通常のご家族の住まいでも 全てがオープンでも 全てがクローズでもない 緩やかなつながりの場 もいかがでしょうか?

 
 
 

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