風景を切り取る
- 傳寶慶子建築研究所
- 2018年6月3日
- 読了時間: 2分
『家は買うものではなく、創り上げていくもの』
今回のテーマは 「ハッとする風景・空間を魅せる」 建築空間をどのように造り上げていくかという構想は、それぞれの設計事務所によって 多種多用であるのですが、当事務所では、シンプルで飽きがこず、何年経っても美しい と思えるような、そんな普遍性のあるデザインをするよう心がけています。 こちらは、リフォーム前のお写真。築40年のお家です。

窓の外に庭があるものの、なんとも雑多な雰囲気で、窓廻りはまったく美しくありません。 ただ単に、光を取り入れるために窓をつけた、という印象で、「庭を見るための窓」という 雰囲気は微塵も感じられません。 今回、リフォームということもあり、窓の位置・大きさはそのまま変えず、 内部のインテリアをスッキリシンプルにまとめ、窓の外に視線を促すよう仕掛けました。

カーテンではなく、『障子』を取り付けた最大の理由が、この写真でおわかりに なるかと思いますが、障子に映り込む光と影。 窓を閉めていても、木々が揺れる様子、光の移り変わりなど、外の様子を愉しむ ことができます。また障子紙は、光を反射・拡散しますので、思っている以上に 室内は明るくなります。 そして、障子を開けると・・・

目の前には、元々あったモミジの木が、美しく色づいていました。 こちらも、同じ手法でデザインした事例。

ダイニングスペースいっぱいに、光と影の美しい演出が広がります。 そして障子を開けると・・・

今度は庭の緑が一面に広がります。 自然と窓を開けたくなるような、そんな当たり前の動作を促すような仕掛けを デザインとして造り出し、ハッとするような瞬間を、生活の一部に取り込むこ とで、毎日の暮らしが少しでも愉しいものに変わればいいなと思っています。
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