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排煙窓

木村哲矢建築計画事務所

窓 って何でしょう? 窓のはたらき って何だとお思いですか? 何をそんな当たり前のことを?と思われるかもしれません そうですよね 壁(ときには屋根)に設けられた孔(に取り付けられる仕組み)のうち 人や物の出入りのためのものが 扉 であり それ以外のものが 窓 ですね そして窓には ・外から明かりを取り入れる(採光) ・空気を入れ替える(通風換気) ・外の景色を見る(眺望) という役割があります 健康で快適な暮らしを支えるための大切なはたらきです そしてもう一つ ・火災の際に煙を外に逃がす(排煙) という安全を支える大切な役割があります これらは法律でも定めがあり 建物の用途や室の面積によって細かく規定されています けれども一般的な規模の住まいでは 排煙の規定は免除されています 使用者も特定され 火災時にも煙が充満する前に迅速な避難が可能であろうとの判断でしょうね 延床面積が200㎡以上の住宅の生活上主要な部屋にのみ 排煙のための窓が法律上必要とされています 窓 といいますと 今の世の中では当然ガラスの入った窓を思い浮かべますが しかし 空気を入れ替えたり 煙を逃がしたりするためだけの窓ならば もちろんガラス窓である必要はありません けれども断熱気密を要求される現代の住まいでは 昔ながらの木製の板窓では性能面で不安があり アルミ製のサッシュを利用することが現実的となります 一方 排煙窓で天井付近に充満した煙を逃がす という目的のためには 取り付ける高さが決められており 天井の高い部屋の場合 インテリア上バランスの悪い高さに不釣り合いなアルミ窓を設けざるを得ないことも出てきます  写真のお住まいでは 排煙用の窓を目立たせなくするため 主要な壁面を外して設け アルミサッシュの内側に 室内の壁と同仕上げの木製のパネル状の窓を 窓枠も設けずに窓の存在自体をわかりにくくして 設けています 正面の窓の上部にうっすら白い枠取りで横長の四角が並んでいるように見えますのがそれです 二重の窓となることで 断熱気密性能も向上しています 窓の開閉自体は 室内側の木製のパネルを軽く押すとワンタッチで跳ね上がり 外側のアルミサッシュを開けることが出来るようになっています

実はこちらは平屋のお住まいですので 非常時にわざわざ排煙窓を開けているよりも 外に逃げたほうがずっと早いのですけれどね・・・ だからと言ってもちろん安全にかかわる定めはないがしろには出来ません 法律の規定はさまざまに当然の理由があって定められています 法律を そして何より 現実の生活の利便と安全とを考えて そのうえでちょっとした工夫で生活も美しくなればうれしいですね

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