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窓の話

北野彰作建築研究所

窓は建築の部位の中で最も大切な部分の一つです。

同じ空間でも窓の大きさや位置によって随分違った雰囲気になります。窓は機能的には光と風の採り入れ口ですが、我々建築家はそれ以上の〈もの〉を求めて其処に重ね合わせたりします。

ボクが昔から使ってきた「縦すべり出し窓」、文字通り縦に細長い形状の窓です。商品として出始めた頃から頻繁に使っています。当初は無かったのですが、最近では極端に細長いモノまであります。

何故繰り返し使うのか?

それは窓としての機能性に優れているからです。

先ず採光性能、縦長の形状ゆえ天井に近い高い位置から光が入るので、同じガラス面積の一般的な窓より明るい光が採り入れ易くなります。小さい面積で明るさが確保できるのであれば、建物全体の断熱性も自動的に向上します。

また換気性能、障子部分の角度が自在に変えられるので、どんな向きの風でも効率的に室内に呼び込むことが出来ます。

そして清掃性、以前の「開き窓」だと外側のガラスを室内側から清掃するのは難しかったのですが、この窓は吊元側も手の入る隙間が空くので、お掃除が楽チンです。網戸も格納型、オフシーズンの汚れが付かず見た目もスッキリ。また最小幅のサイズなら有効寸法が15㎝程度しかなく、仮に施錠部分を破壊されても絶対に侵入できません。まさにイイコト尽くし!

最近では同じサイズの細窓を並列することで意匠的な面白さも意図したりします。昔の京町家に有った「虫籠窓=ムシコマド」、あの内側から外界をソッと覗く「耽美性」も再現したりしています。

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